このエントリ誰得?←僕が得をします(挨拶


ということで、ファイナルズ予選前に現在のメタゲームを総復習。基本的に7回戦のトーナメントで1回以上戦うであろうデッキを見ていこうかと思います。


ジャンドカスケード(タッチ白、タッチ青を含む)
 現環境のトップメタ。前環境のフェアリー的な存在。メタられても強い。基本的にカスケードスペル(血編み髪のエルフ、瀝青波などなど)でアドバンテージとテンポを稼いで勝利を目指す中速型のビートダウンです。同系に強くするためにタッチ白をしたり、デッキパワーを上げるためにタッチ青をしたりもしているみたいです。
 メリット 何といってもデッキパワーの高さでしょう。デッキを構成するパーツの殆どが所謂「強いカード」で構成されているため、デッキの動きにムラがありません。また、各種カスケードスペルは上手く連鎖することで、かなり頻繁に戦場での逆転劇が起こることでしょう。僕は今の環境にある殆どのデッキを1回以上はプレイしましたが、ジャンドよりも「強い」(単純なデッキパワーで)と思ったデッキは一つもありませんでした。
 デメリット そんな「強い」ジャンドカスケードにも勿論弱点は存在します。それはマナベースの脆弱さ&初動の遅さです。前者は「広がり行く海」や「ゴブリンの廃墟飛ばし」などのカードで、後者は「上陸ボロス」や「赤単バーン」などのデッキでメタられています。私的な意見としましては、初動が遅いので序盤にハンドを攻められるのもきついと思います。同系でブライトニングやマインドロッドが強いですしね。


上陸デッキ(ボロス、ナヤなど)
 ジャンドに対抗するべく、ZENの新システムである「上陸」をメインテーマとした速攻デッキがこれら上陸デッキとなります。1T目猫、2T目ムガデなどから、各種フェッチランドで多数回上陸を誘発させ、物凄い勢いで相手のライフを削っていきます。特に緑をタッチして砂土を入れたレシピの爆発力は目を見張るものがあり、先ほどの動きに合わせて3T目にフェッチ経由で砂土を撃つことで8+9で17点のダメージをたたき出すことも可能です。
 メリット 速攻デッキという形を取っていることによって、メインからジャンドカスケードに相性がいいところでしょうか。また、それと同時に試合にかかる時間が短いということ、長いラウンドを戦う場合にはメリットとなりえます。
 デメリット なんといっても、マリガンがしにくいところでしょう。これはデッキのメインテーマが「上陸」という、スペルもランドも必要であるシステムのため仕方が無いことかと思います。また、一度盤面を制圧されてしまうと逆転しにくいというのも欠点です。一応、イーオスレインジャーから奇襲や、エルズベスでの飛行アタック、火力でのごり押しなどもありますが、序盤にある程度はライフを削っていないと現実的とは言えません。マリガンはしにくいのですが、初手である程度ライフを削れるプランを構築するのがこのデッキをプレイするときのキーとなるでしょう。


赤単バーン(基本的に単色が多め。タッチ黒、タッチ緑もあり)
 コンセプト的には上陸デッキと同じなのですが、上陸デッキが盤面に残る生物を主体としているのに対して、こちらは火力を主体としての速攻デッキであるので分けて考えさせてもらいました。1T目コブリンの先達から始まり、歩く火力であるヘルスパーク、ボールライトニング、ヘルサンダーなどで速攻でライフを削ります。爆発力こそ上陸デッキに劣りますが、その火力を主としたコンセプトの御陰で、かなり対処がしにくくなっています。
 メリット これは上陸デッキと同じことですが、ジャンドカスケードに相性が良いところでしょう。特にヘルサンダーのジャンド相手の強さは顕著で殆どの場合8点のダメージを稼いでくれるでしょう。また、この手の速攻デッキが頭を悩ませることになるトリナクスをトークンと共に地震することで、相手のライフを削りながら対処できることも利点といえます。
 デメリット デッキの汎用性の無さがそのままの欠点となります。同じコンセプトを持つ上陸デッキは白(PTE)が入っているのでそこまで絶望的ではありませんが、基本的にバーンスペルのみで構成されているこの手のデッキは、悪暫の天使に対抗する術を持ちません。また、環境的には少ないのですが、ライフゲインを要するデッキにも弱く(ニッサレヴェインなど)、それらのシステムが完成してしまった場合には投了が余儀なくされるでしょう。


吸血鬼(タッチ白、タッチ緑、タッチ赤など様々なレシピがあります)
 基本的には黒単デッキで、大量の吸血鬼クリーチャーを吸血鬼の夜候(アンセム&回避能力をつける!)、マラキールの地魔女(プロ白4/4飛行でCIP能力もち!)などでバックアップして相手のライフを削るビートダウンデッキです。また、マラキールの門番(キッカーでエディクト)、吸血鬼の呪詛術士などで黒単とは思えない器用さを備えています。
 メリット 黒単のレシピの場合、堕落の触手を取ることによって、ジャンドメタで有名な上陸デッキ&赤単バーンに有利に戦えます。また、対悪暫の天使用のサイドボードとしても用いられているマラキールの地魔女がメインに入っているため、白系のビートダウンには無類の強さを誇っていると言っても過言ではないでしょう。
 デメリット 会場で一番多いであろうジャンドカスケードに相性が悪いことです。夜候がヒットしない限り基本的には熊ビートなので、ジャンドに搭載されている殆どの生物でビートが止まってしまうし、生物をアドバンテージを得つつ除去できる門番もトリナクスの前では無力化されます。状況を打破するため展開せざる得ないのですが、それら展開した夜候や血魔女は瀝青波のいい的であり、除去されつつ相手にアドバンテージを与えてしまいます。群れのドラゴンまで繋がれた場合、殆どゲームセットといえるでしょう。


オランリーフ系(緑単エルドラージニッサ、青緑フレア、赤緑エルフ、緑白など)
 オランリーフ(タップすることにより、このターン出た緑の生物に+1カウンターを乗せる)を主軸としたデッキです。最近では、海外やMOで結果を残しているため、緑単エルドラージニッサが注目されていますね。1T目のマナ加速からガラクやニッサレヴェイン、野生の狩りの達人などターン毎に生物を生み出すパーマネントをオランリーフ&エルドラージの碑でバックアップすることによりビートして勝利を狙うデッキです。その他にも、メインに搭載されている鹿はオランリーフで強化することによってジャンド相手に無類の強さを発揮します。このデッキの蟻の女王は強さを見るに緑色のメロクといっても過言ではないでしょう。
 メリット 初速が速いため、上陸デッキや赤単に良い勝負が出来(ニッサのライフゲインも地味に強いです)、ジャンドカスケード相手も4/4の鹿や蟻の女王、エルドラージの碑によりかなり戦える。といった現在のメタ内の殆どのデッキに対して高いパフォーマンスを誇っている点でしょう。また、基本的にコンセプトは緑単色によって完成されているため、弱点を色を足すことによって補える点も利点と言えます。
 デメリット 欠点の無いデッキは存在しません。ということで、有り余るメリットに目がいってしまい、環境のソリューションなのでは?と思ってしまう人も多いと思いますが勿論、このデッキにも弱点が存在します。それは単体のカードの脆さです。マナ加速生物は初手には嬉しいですが、ドローするとランドを引いているのとあまり変わりません。また、鹿も4/4にすることによって無類の強さを発揮しますが、3/3だった場合は血編み髪のエルフと相打ちになってしまいます。ガラク、野生のカ狩りの達人、ニッサレヴェインなどは単体でも強いと思われがちですが、これらのカードでさえ単体ではブライトニング、トリナクス、パルスを有するジャンドのビートを止めるには至らないのです。つまり、どこまで行っても、オランリーフ&エルドラージに頼った噛み合いデッキということになります。こんなに酷評していますが、僕自身としてはデッキとしてのシナジーが非常に綺麗で纏っているデッキなので、現環境で一番好きなデッキかもしれません。


青黒蘇生(タッチ赤、タッチ白バージョンもあり)
 昨今のスタンダートでは珍しい墓地を利用したタイプで、カニ(上陸でライブラリー3枚を削る)や各種サイクリングにより、墓地に黒の生物を貯めて行き、アカディームの墓所による爆発的なマナによりフィニッシュ(悪魔を含む各種蘇生生物、ケデレクトのリバイアサンなどなど)を目的としたデッキです。詳しいデッキの動きは他の方々の解説を見てもらったほうがいいかもしれませんw
 メリット メインボードでの勝率が良い点です。上陸デッキや赤単バーンなどの速攻デッキ以外にはメインボードではまず負けないと思われます。これは偏に墓地を利用したコンボデッキ(基本ターンは5~6ターンです)という形を取っていることに起因します。また、デッキがキーカードを主とした構成であるためマリガンがしやすいという点も利点と言えます。
 デメリット 墓地を利用したコンボデッキ、、、これがそのまま弱点となりえます。メインボードでの勝率は群を抜いていいのですが、サイドボード後に墓地をメタられると勝率は極端に下がります。さらに動きがアカディームの墓所という1枚のカードに依存してくるため、ジャンドメタで入っているランデス戦略がそのままこのデッキの対策として流用されてしまう点も欠点といえます。兎に角、メインボードは相性のいいデッキが多いので、サイドボード後の2戦をどうやって取るかが、このデッキを使うときのキーとなることでしょう。



赤昇天コンボ(青赤昇天、青赤黒残酷昇天、ナヤチャームを利用した無限ターン)
 厳密に思考するならば、青赤昇天と残酷昇天は似て非なるデッキなのですが、条件を満たした場合にスペルのコピーが出来る赤昇天を主軸としたデッキである点においては同じデッキなので、纏めて解説させてもらいます。基本的にはコントロールデッキで相手の動きを捌きつつ、昇天の条件達成を目指します。条件達成後は最早別のゲームであり、あなたが対戦相手の場合そこから逆転するのはほぼ不可能でしょう。
 メリット メインデッキは基本的にノークリーチャーなので、相手のデッキの除去スペルを腐らせることが出来る点が利点と言えます。兎に角、細かな除去と場をコントロールするカードが豊富なため、最近増えてきた緑単エルドラージニッサには頗る相性がいいと思われます。
 デメリット デッキの勝ち手段を赤昇天に頼ってしまっているため、赤昇天を割られると途端にきつくなります。具体的にはジャンドのパルスや、サイドボードに良く見られる天界の粛清などが癌であり、それらをどうやって克服するかが、このデッキのこれからの目標といえるでしょう。


ラスコントロール(エスパー、5色など)
 同系再版?wのラスこと、審判の日を主軸としたコントロールデッキです。序盤を豊富な妨害スペルで耐え、エスパーチャーム、ジェイス、マインドスプリングなどでアドバンテージを稼ぎ、悪暫の天使、残酷な根本原理、各種プレインズウォーカーでフィニッシュすることがメインテーマです。メタ的に腐ることが少ないということで、天界の粛清をメインボードに積んでいるレシピが多いのが特徴的でしょうか。
 メリット 往年のラスコントロール同様、「負けにくい」のが利点といえるでしょう。殆どのデッキに対して五分以上の戦いが出来るはずです。しかし、青黒蘇生などのデッキには相性が悪いので気をつけてください。
 デメリット ずばり、勝ち手段の細さでしょう。このデッキをジャンド相手に回しているときに思うのですが、場を完全に捌ききって、エスパーチャームなどでアドバンテージも十二分に得た。しかし、フィニッシャーにたどり着かずにグダグダしている内に相手にトップデッキされてしまいそのまま負けというゲームが頻繁に起こりました。特にサイドボード後は、思考の大出血によりこのデメリットを狙われるので、かなりしんどいです。よって、これらのデッキをプレイする場合には、フィニッシャーは出来るだけ多めに散らしておくのが必須条件なのかもしれません。



長々と書いてきましたが、こんなところでしょうか?他にも、バントビートやワープワールドなどなど、さまざまなデッキが存在するのですが、上述のデッキに比べて極端に数が少ないため省かせてもらいました。もし、数の多いデッキでカバーできていない点がありましたら、コメント蘭までお願いします。検討して、7回戦のトーナメントにおいて1回以上当たるようなデッキと思った場合にはその度に追記させてもらいますので。



それでは、皆さんもファイナルズ予選頑張って下さい!僕も何としても、権利が取れるように今週末から頑張りたいと思います。


さらばじゃ! 

コメント

くろわし
2009年11月18日1:57

白単系もそこそこ当たるのでは?

オライ
オライ
2009年11月20日21:11

こんばんは!初めまして。
自分はMTG歴が短く大会経験もないので、自分の使っている赤昇天の弱点などについて書かれていて、凄く参考にさせて頂きました。
色々なデッキのメリットデメリットが書かれていて、自分のデッキのサイドボードについてもかなりヒントを得られて感謝しています。
お気に入り日記に追加させて貰いました。
よろしくお願いします~、

マリコルヌ
2009年11月20日21:22

はじめまして。メタと各デッキに良い点、悪い点が解りやすく解説されているので、非常に勉強になります。誠に勝手ながらリンクさせていただきました。今後ともよろしくお願いします。


僭越ながら、ジャンドに強いと言われる《鋼の風のスフィンクス》や各種アーティファクトクリーチャーを釣り上げて相手を圧倒する《蔵の解放》デッキは最近見かけるような気がするんですがまだマイナーなんですかね??(;^ω^)これもラスコントロールにカウントされているなら申し訳ないです……

AKKA
2009年11月21日0:25

>ミンミンワシミン
 白系ビートダウンと解釈しておk?確かに擬態技術士ビートと合わせると、意外と数がいるかも。今度暇なときに書き足しておくわ。サンクス。

>オライさん
 初めまして。こちらこそよろしくお願いします。

>マリコルヌ
 初めまして。こちらこそよろしくお願いします。件のデッキはエスパーリアニってことですがね?だとしたら、2週間ぐらい前に大量発生した後あんまり姿を見ないので今回は省かせてもらいました。また増えるようでしたら、別箇に解説したいと思います。話は変わって、エスパー系はビートダウンの方が多いと思うのは僕だけでしょうか?w

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