雪で暇なので(挨拶


 今回のレシピを作るにあたって一番気に掛けたことはデッキの無駄を削ぎ落とすこと。その点を念頭に置いて以下のリストをご覧あれ。


2《島/Island》
1《沼/Swamp》
2《Underground Sea》
1《Volcanic Island》
4《汚染された三角州/Polluted Delta》
3《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
2《霧深い雨林/Misty Rainforest》

4《渦まく知識/Brainstorm》
4《思案/Ponder》
4《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
3《定業/Preordain》
3《強迫/Duress》
3《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
4《冥府の教示者/Infernal Tutor》
1《闇の誓願/Dark Petition》
1《炎の中の過去/Past in Flames》
1《むかつき/Ad Nauseam》
1《苦悶の触手/Tendrils of Agony》

4《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》
4《水蓮の花びら/Lotus Petal》
4《暗黒の儀式/Dark Ritual》
4《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》


4《闇の腹心/Dark Confidant》
3《突然の衰微/Abrupt Decay》
2《見栄え損ない/Disfigure》
1《Tropical Island》
1《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
1《ハーキルの召還術/Hurkyl’s Recall》
1《再建/Rebuild》
1《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
1《巣穴からの総出/Empty the Warrens》


・ランド15枚
 14枚の青マナと1枚の沼を取ったマナベース。3枚の基本土地は不毛の大地を使用してくるデッキ相手に3T目まで(ANTの基本ターンは2.8ターン)に確実に土地を伸ばすのに、3枚のデュアルランドはフェッチランドから任意のマナを調達するために必要。9枚のフェッチランドは各種ドロー操作の価値を高めるため、1マナ、1+1マナの動きに絡めることで3T目のスレッショルドを容易にしてくれる。
 一般的なデッキとの一番の違いはメインのトロピの不採用。これはANTと云うデッキがメインボードでは緑マナを必要としないデッキであり、メインのそれは島の下位互換になってしまうから。トロピを不毛されて1マナ足らなくて負けは許容できるものではない。また、各種ドロー操作をより強く運用するために9枚目のフェッチ(期待値は8.51枚)を取りたいという消極的な理由もあり。メインにトロピを取るという選択もあるとは思うが、そのときは基本土地を廃してアンシーを4枚取るなど、一貫したマナベースにするのが良いと考える。


・マナ加速16枚
 強い順に暗黒4LED4ペタル4陰謀団4。意見が分かれるところは4枚目の陰謀団の存在、汚物の雨の不採用だと思う。メインボードでの勝ち手段は8割Pifといっても過言ではないので、そのルートを強く意識できる陰謀団は4枚取りたい。対して起点でのインパクトに優れるもののフラッシュバックしても意味が無くPifとの相性が悪い汚物の雨に疑問を感じたので。雨は主にAdルートを取るときに輝くものだと思う。今回は素直にキープ基準にもなる3枚目の定業の枠に落ち着いた。


・ドロー操作15枚
 強い順にブレスト4思案4調査4定業3.ANTの他のデッキよりも優れている部分は質のアドバンテージだ。それらを最大限に活かすには定業も4枚の方が良いが、今回は5枚目のチューターである闇の誓願を採用したために泣く泣く削れてしまった。世間の多くのレシピに1枚の独楽を見るが、ANTを使っていてマナが余ることは稀だし、そもそも重くてキープ基準に適していないので採用しなかった。ハンデスに強くなったり他のルートを模索できる点では有用なので、ゲームの長期化が図られるサイドボード後には何枚かあっても良いかもしれない。
 初めに強い順に~と書いたがこれらのドロー操作は強いタイミングが異なることも忘れてはいけない。基本に忠実に3Tキルを目指すのであれば、1T目に一番プレイしたい呪文は定業であり、2T目のセット前にはブレスト。そしていらないカードをフェッチでリフレッシュした後の思案がベストだ。調査は一番タイミングが難しいカードで盲目的に1T目のペイして撃つのは間違いだ。そのターンの行動を決めるに当たって情報が不足しているときに撃つのが正解であって、情報が追加されても行動が変わらないときにはハンドに貯めておくのが良い。また、ANTにおいては2点のライフも非常に重要なため(あなたがAdルートを取るときは2点のライフは3枚のカードに変わる)本当にペイして撃つべきかどうかも考えるべきだ。もし先手で初手が「島フェッチ調査思案ブレスト暗黒冥府」などの場合には島をセットしてペイなしで撃つのが理想的と考える。これは一例に過ぎなく様々なタイミングで調査はあなたの頭を悩ませることになるだろうが使いこなされば最高のカードとなるので諦めずに考えて欲しいと思う。


・妨害6枚
 脅迫3セラピー3。初めは7枚で試していたが度々ハンドに嵩張ってしまいコンボがスタートできなくなることが見受けられたので6枚に減った枠。脅迫にもセラピーにも強みがあるのでそれぞれ3枚ずつ。思考囲いはライフの損失が痛すぎるために不採用。私的に調査と囲いは共存するのは難しいと考えている。


・チューター5枚
 冥府4誓願1。5枚目のチューターがあるタイプ無いタイプを回してみたところ5%程度の違いが認められたために採用した。誓願はグリムほど痛くなく、赤願いほど重くなく、ほぼ理想的な追加のチューターといえる。しかし、素のマナコストが大きいために2枚目の採用は躊躇われる(ADルートのため)のがデメリットといえる。
 5枚目のチューターが真価を発揮するのは主にサイドボード後だ。全てのデッキがサージカルを使える可能性を持っていること、ANTは特定の対策カードが取り難いことを考えるとそれらの問題を解決してくれる誓願は素晴らしい。しかし、過信は禁物でサイド後は良く墓地をヘイトされる(よって陰謀団の枚数が減ることが多い)ので多少なりとも使い難くなっていることには注意すること。そうすれば、かのデモニックチューターのような強さを見せてくれるだろう。


・フィニッシュ3枚
 Pif1Ad1アゴニー1。全て最低限の枚数。他の多くの人のそれは分からないけれど、私的には引きたくない部分なのでこのように落ち着いた。勿論、カウンターをケアしたPif、インスタントタイミングで動けて2段仕掛けに寄与するAd、相手の呪文を計算に入れた友情ストームを成立させる手に握るアゴニーの強さは承知しているが、やはりチューター経由で決めるのが考えることが少なく至高である。「考えることが少なく」というのはかなり重要な要素で、ANTは一見綺麗なレシピで単純そうだが使ってみると驚くほど煩雑で難しいデッキであり、このようなデッキを長いラウンド回すには膨大な練習も必要だが、それよりも「簡単に勝てるルート」を如何に多く構築できるかがキーになるからだ。そういう構築をすることで考えなくても良いマッチでは体力を温存できて、相対的に考えるべきマッチに備えることが可能になる。それは多大なメリットではないだろうか。


・サイドボード
 ボブ4衰微3トロピ1
 ほぼ奇跡専用のサイドと言って良い。このマッチでは相手の妨害を掻い潜るために自分も相応のリソースを消費してしまうために、メンターよりもボブの方が良いと採用した。サイド後には点(ボブ)、面(ワレン)に加えて直接本体(アゴニー)を狙うなどして多角的に攻めるのが良い。衰微は云うまでもないが、カンバラをメインとした置物対策でサイドのスペースが許すならば4枚目があった方が良いだろう。
 エタフェス当時は上記の生物プランで行ったが現状のサイド後の生物へイトのされ方を考えるに別のプランを取った方が賢明かもしれない。ANTが優れているのは質のアドバンテージ、そしてマナ加速から放たれるその手数なのでそれらを活かしたサイドプランを今一度考えて見たい。
 見栄え損ない2
 不毛の大地を用いてくるデッキ相手のヘイトベア対策。メインのターゲットはシギレイだがゲームの減速化を図るためにデルバーに撃つ事もしばしば。2マナの対象を1マナ(しかも黒マナで!)で対処できるところが強く稼いだテンポを質のアドバンテージに変えてコンボを目指したい。
 蒸気1ハーキル1再建1
 ヘイトアーティファクト対策。衰微で良いのでは?という人もいるが、これらのデッキは共に不毛の大地を用いてくることが多く、多くの状況で衰微(とトロピ)はサイドインしたくないのでスペースを設ける事になった。ハーキルと再建を散らしたのはチャリスや禁止系のカードを警戒して。再建は3マナと重いカードだがサイクリングを持っていることで腐り難いところが評価できる。蒸気は追加の見栄え損ないとして入れることもある。特に重要なのは3枚とも自分のアーティファクトを戻すことでストームカウントに大きく貢献する点である。
 セラピー1
 主にコンボ対策。ワレンでFBを狙えるときも積極的にサイドインしたい枠である。
 ワレン1
 追加の勝ち手段。アゴニーへのヘイトを高める相手に有効だが、仕掛けるマナが6マナと軽い(ブッパしやすい)ので様々な相手にサイドインすることになる。




 レシピに関しては上記のような感じです。後半になるにつれて雑になっていくのはご了承下さい><



 需要があれば、プレイ編も書くかも。予定は未定。


 
 さらばじゃ!

コメント

Ono GP03
2016年1月30日19:43

エタフェスお疲れ様でした。また、おめでとうございます。
ANTの練習を始めたので大変参考になりました。

サイド後のボブに変わる枠を研究したいですね。

岩石系男子モアイ
岩石系男子モアイ
2016年2月11日22:27

良記事(直球)

ハンデスを1枚サイドに落とすのいいですね!自分も最近ハンデスを持て余して無駄にDuressを投げてターンを返すことが多かったので、3枚目の定業にしてみますー。

やっぱり気になるのはサイドボードですねー
対MiracleではAKKAさんのおっしゃるとおりの理由でボブを4枚サイドインしてたんですけどキッチリ処理される勢でひたすらリソース不足に陥って負けるゲームばかりになってしまいました・・・
最近はこの前AKKAさんと倉成さんが議論していらっしゃったときのサイドボードを試してますー

本当に読み応えのある記事だったのでプレイ編期待してます^^^^個人的には各マッチのサイドインアウトが知りたいです><

お気に入り日記の更新

日記内を検索