田舎のプレイヤーが新環境バントカンパニーを考察する
2016年7月25日 スタン(考察)タイトルまんま(挨拶
1st Place at StarCityGames.com Standard Open on 7/23/2016
Creatures (27)
3 Duskwatch Recruiter
4 Reflector Mage
4 Selfless Spirit
4 Spell Queller
4 Sylvan Advocate
3 Tireless Tracker
2 Archangel Avacyn
3 Thalia, Heretic Cathar
Lands (25)
3 Forest
1 Island
5 Plains
3 Canopy Vista
4 Evolving Wilds
2 Lumbering Falls
4 Prairie Stream
3 Yavimaya Coast
Spells (8)
4 Collected Company
4 Dromoka’s Command
Sideboard
3 Lambholt Pacifist
1 Tireless Tracker
2 Negate
2 Ojutai’s Command
2 Nissa, Vastwood Seer
2 Declaration in Stone
1 Planar Outburst
2 Tragic Arrogance
・概説
異界月から霊魂、呪文捕え、サリアが加わることによって、テンポを意識するような構成に変わった。具体的にはジェイス、変位エルドラージ、ニッサなどのロングゲーム時に活躍するカードを切り捨てて、徴募兵、平和主義者、混成体などを採用することによってより短期のゲームプランを想定している。
この変更によって得られる効果は中隊の柔軟性の増加と純正アグロへの耐性の強化だ。、前者は霊魂や呪文捕えの加入によってこれからの中隊は相手の行動へのカウンターとしても機能することになる。4マナ以下UKに対応した中隊では呪文捕えが、除去へは霊魂が無効化してくれる。勿論中隊では生物を2枚出すことが可能であるから、これらの相手の行動を無効化した上で自分の盤面への強化も為されるわけだ。後者についてはアグロ相手弱いジェイス&ニッサが解雇されたことによる副次的なものだ。平和主義者は以前のバントカンパニーでもサイドボードに利用されていた信用に足る存在だし、サリアの3/2先制攻撃というスペックは思った以上に硬い。
しかし、この変更はメリットばかりでは無い。呪文捕えや霊魂による中隊の柔軟性の増加はそのままデメリットにも繋がってくる。それは中隊を唱えるタイミング問題で呪文捕えと反射魔道師との問題ともいえる。呪文捕えには相手の唱えるのにスタックで此方を動かなければ為らないが、反射魔道師が出た場合にはスタック上の生物を戻すことは出来ない。その逆もまた然りである。この状況に混成体も絡んでくるとタイミングはよりシビアなものとなる。何れにしよこのレシピでの中隊は柔軟性は確かに増したが裏目もそれ相応に増していると云えるだろう。
さらにもう一つのデメリットとして以前のバントよりも逆転がし難くなっている点は見逃せまい。中盤以降での中隊からのジェイスはもう一度メインでの中隊を挿むことによって1枚のカードから都合4枚のカードに直接アクセスできる。そこにニッサが入っていれば、何も無かった場から複数の対処を迫るものへの変化が容易でこれこそが旧環境のバントの強さを支えていたといっても過言では無いとさえいえる。その利点が丸々消えてしまったのは根本的なデッキパワーにどのように影響するか。これからの結果に期待である。
・デッキ解説
①マナベース
旧環境のレシピより1枚少ない25枚の土地と白よりのものだ。ランドの枚数はマナカーブの原因というよりも変位エルドラージの解雇による荒地の不採用によるものが大きいと考える。未開地からアクセスできる無色マナとして1枚採用されていたが3色のデッキでの無色マナは序盤はセットしたくなくマナベースとしてカウントし辛い。以前のそれもランド26枚と云うよりは25枚+荒地と認識した方がよい。白マナが増えているのは2マナの霊魂とメインアヴァシンの採用によるものだ。
②生物
上記にもある通り「よりテンポを意識した構成」の選択だ。早いターンのサリアは相手の減速と一時的なブロッカーの排除をしてくれるし、混成体も同じような役割だ。反射魔道師と呪文捉えはテンポを獲得することでこの時間帯をより延ばしてくれる。霊魂はサリアと呪文虎えとアヴァシン、各種狼男はフラッシュ要素と中隊との相性が良い。唯一トラッカーだけプランから浮いている存在に見られるが、優先順位的に埋めていったときの次点での採用と云うことなのだろう。私的にはこれらのテンポを意識した構成で2T目をパスするのはトンデモナイと思うのでトラッカーを2枚に削ってでも徴募兵を4枚にしたいと考える。
③スペル
ドロコマ4中隊4の鉄壁な布陣だ。オジュコマの不採用に疑問を覚える人が居るかもしれないが、上にも書いてある通りに短期のゲームプランを想定しているためにそれのような受けるカードは採用し難いのでアヴァシンになっていると考えると良い。元々消耗戦に持ち込む気は無いので良い変更といえる。
④サイドボード
メインボードは劇的な変化があったが、ことサイドに至っては以前見た顔ぶれが多い。特徴的なところとしては次元の激高ぐらいか。これは霊魂の採用によるものであり、ことによれば残り2枚の悲劇的な傲慢のスペースも激高の方が良いと感じる。旧環境でのバントと傲慢が強かったのはジェイスとニッサ(それに繋がる中隊)による部分が大きく、PWと生物の盤面を作り難いこのレシピでは旨味が半減するからだ。その他オジュコマ、ニッサなど
軸のぶれた迷いが見られるのでサイドボードはこれからが期待できる。
・対策
①構えるのにデメリットを強制させるカードを使う
云うまでも無く各種狼男…徴募兵平和主義者が良いだろう。これらの生物を採用することで相手が構える行動を取ったときにはそれ相応のメリットを得られることとなる。徴募兵は行動回数の増加に寄与し、平和主義者は単純に大きく無視出来ないクロックだ。またこれらの戦略は対バントだけでなく、青白スピリットにも有効なことを頭の片隅に置いておくと環境理解が捗るだろう。
②相手の目論見通りにテンポを取られないように2回行動を心がける
反射魔道師と同様の考え方だ。相手が3マナを構えてきたときには為るべく2回行動を出来るように動くと良い。これにより捕えられたときの損害が軽減され、それらのアドバンテージを悪用されることも少ない。2回行動が出来ないときはリスクリターンの問題だ。その行動を捉えられてもあとにその不利を取り返せる見込みがあるのならば、飛び込むべきだろうがその展望が暗い場合には2回行動が出来るまで我慢するのが良い選択といえる。
③強いインスタント除去を使う
掌握やドロコマが考えられる。これらのカードは呪文捕えを効率的に除去、盤面を支えるために役に立つ。中隊や捕えに引っかかっているしまうのでソーサリーではダメだ。逆にソーサリーの場合には5マナ以上のスイーパーが望ましい。しかし、この場合には霊魂が問題となってくるのでやはり強いインスタント除去は必須といえるだろう。
④基本土地の多いデッキを使う
サリア対策だ。これはデッキを選ぶときのものだが、プレイの方も何時もより少しだけ考えることで回避できる問題もある。特に相手がサリアを使っていそうなデッキであなたが後手のときには気をつけること。通常であれば3T目以降にバトルランドをアンタップで用いるために未開地から基本地形をつなげたいところだが、サリアの可能性を考えると少しでも多くの基本土地を抱えていたい。ダメランなどの選択肢もあるのならば、多少のダメージは受けつつもそちらを優先した方が将来的な展開の安定が約束されるだろう。
⑤大天使アヴァシンを使う
私的にはこれが一番有効な対策に思える。サリアの裏目は存在するがそれ以外では彼女を咎める手段は少なく(混成体のタップ、代言者達成後のドロコマぐらい)、相手は早いゲームの決着を目論んでいるためETBの能力も嵌りやすい。呪文捕えされずに殆どの生物が止まり反射魔道師も次のターンに簡単に出し直せる。霊魂さえ気をつければ変身能力をスイーパーとして運用することは難しくは無く、それによってゲームのイニシアチブも得やすい。よって、この形のバントを対策するにはある程度生物を積んで接触が発生するようにし、アヴァシンを採用したデッキが良いと考える。
そんな感じ。
意見コメントお待ちしております。
さらばじゃ!
1st Place at StarCityGames.com Standard Open on 7/23/2016
Creatures (27)
3 Duskwatch Recruiter
4 Reflector Mage
4 Selfless Spirit
4 Spell Queller
4 Sylvan Advocate
3 Tireless Tracker
2 Archangel Avacyn
3 Thalia, Heretic Cathar
Lands (25)
3 Forest
1 Island
5 Plains
3 Canopy Vista
4 Evolving Wilds
2 Lumbering Falls
4 Prairie Stream
3 Yavimaya Coast
Spells (8)
4 Collected Company
4 Dromoka’s Command
Sideboard
3 Lambholt Pacifist
1 Tireless Tracker
2 Negate
2 Ojutai’s Command
2 Nissa, Vastwood Seer
2 Declaration in Stone
1 Planar Outburst
2 Tragic Arrogance
・概説
異界月から霊魂、呪文捕え、サリアが加わることによって、テンポを意識するような構成に変わった。具体的にはジェイス、変位エルドラージ、ニッサなどのロングゲーム時に活躍するカードを切り捨てて、徴募兵、平和主義者、混成体などを採用することによってより短期のゲームプランを想定している。
この変更によって得られる効果は中隊の柔軟性の増加と純正アグロへの耐性の強化だ。、前者は霊魂や呪文捕えの加入によってこれからの中隊は相手の行動へのカウンターとしても機能することになる。4マナ以下UKに対応した中隊では呪文捕えが、除去へは霊魂が無効化してくれる。勿論中隊では生物を2枚出すことが可能であるから、これらの相手の行動を無効化した上で自分の盤面への強化も為されるわけだ。後者についてはアグロ相手弱いジェイス&ニッサが解雇されたことによる副次的なものだ。平和主義者は以前のバントカンパニーでもサイドボードに利用されていた信用に足る存在だし、サリアの3/2先制攻撃というスペックは思った以上に硬い。
しかし、この変更はメリットばかりでは無い。呪文捕えや霊魂による中隊の柔軟性の増加はそのままデメリットにも繋がってくる。それは中隊を唱えるタイミング問題で呪文捕えと反射魔道師との問題ともいえる。呪文捕えには相手の唱えるのにスタックで此方を動かなければ為らないが、反射魔道師が出た場合にはスタック上の生物を戻すことは出来ない。その逆もまた然りである。この状況に混成体も絡んでくるとタイミングはよりシビアなものとなる。何れにしよこのレシピでの中隊は柔軟性は確かに増したが裏目もそれ相応に増していると云えるだろう。
さらにもう一つのデメリットとして以前のバントよりも逆転がし難くなっている点は見逃せまい。中盤以降での中隊からのジェイスはもう一度メインでの中隊を挿むことによって1枚のカードから都合4枚のカードに直接アクセスできる。そこにニッサが入っていれば、何も無かった場から複数の対処を迫るものへの変化が容易でこれこそが旧環境のバントの強さを支えていたといっても過言では無いとさえいえる。その利点が丸々消えてしまったのは根本的なデッキパワーにどのように影響するか。これからの結果に期待である。
・デッキ解説
①マナベース
旧環境のレシピより1枚少ない25枚の土地と白よりのものだ。ランドの枚数はマナカーブの原因というよりも変位エルドラージの解雇による荒地の不採用によるものが大きいと考える。未開地からアクセスできる無色マナとして1枚採用されていたが3色のデッキでの無色マナは序盤はセットしたくなくマナベースとしてカウントし辛い。以前のそれもランド26枚と云うよりは25枚+荒地と認識した方がよい。白マナが増えているのは2マナの霊魂とメインアヴァシンの採用によるものだ。
②生物
上記にもある通り「よりテンポを意識した構成」の選択だ。早いターンのサリアは相手の減速と一時的なブロッカーの排除をしてくれるし、混成体も同じような役割だ。反射魔道師と呪文捉えはテンポを獲得することでこの時間帯をより延ばしてくれる。霊魂はサリアと呪文虎えとアヴァシン、各種狼男はフラッシュ要素と中隊との相性が良い。唯一トラッカーだけプランから浮いている存在に見られるが、優先順位的に埋めていったときの次点での採用と云うことなのだろう。私的にはこれらのテンポを意識した構成で2T目をパスするのはトンデモナイと思うのでトラッカーを2枚に削ってでも徴募兵を4枚にしたいと考える。
③スペル
ドロコマ4中隊4の鉄壁な布陣だ。オジュコマの不採用に疑問を覚える人が居るかもしれないが、上にも書いてある通りに短期のゲームプランを想定しているためにそれのような受けるカードは採用し難いのでアヴァシンになっていると考えると良い。元々消耗戦に持ち込む気は無いので良い変更といえる。
④サイドボード
メインボードは劇的な変化があったが、ことサイドに至っては以前見た顔ぶれが多い。特徴的なところとしては次元の激高ぐらいか。これは霊魂の採用によるものであり、ことによれば残り2枚の悲劇的な傲慢のスペースも激高の方が良いと感じる。旧環境でのバントと傲慢が強かったのはジェイスとニッサ(それに繋がる中隊)による部分が大きく、PWと生物の盤面を作り難いこのレシピでは旨味が半減するからだ。その他オジュコマ、ニッサなど
軸のぶれた迷いが見られるのでサイドボードはこれからが期待できる。
・対策
①構えるのにデメリットを強制させるカードを使う
云うまでも無く各種狼男…徴募兵平和主義者が良いだろう。これらの生物を採用することで相手が構える行動を取ったときにはそれ相応のメリットを得られることとなる。徴募兵は行動回数の増加に寄与し、平和主義者は単純に大きく無視出来ないクロックだ。またこれらの戦略は対バントだけでなく、青白スピリットにも有効なことを頭の片隅に置いておくと環境理解が捗るだろう。
②相手の目論見通りにテンポを取られないように2回行動を心がける
反射魔道師と同様の考え方だ。相手が3マナを構えてきたときには為るべく2回行動を出来るように動くと良い。これにより捕えられたときの損害が軽減され、それらのアドバンテージを悪用されることも少ない。2回行動が出来ないときはリスクリターンの問題だ。その行動を捉えられてもあとにその不利を取り返せる見込みがあるのならば、飛び込むべきだろうがその展望が暗い場合には2回行動が出来るまで我慢するのが良い選択といえる。
③強いインスタント除去を使う
掌握やドロコマが考えられる。これらのカードは呪文捕えを効率的に除去、盤面を支えるために役に立つ。中隊や捕えに引っかかっているしまうのでソーサリーではダメだ。逆にソーサリーの場合には5マナ以上のスイーパーが望ましい。しかし、この場合には霊魂が問題となってくるのでやはり強いインスタント除去は必須といえるだろう。
④基本土地の多いデッキを使う
サリア対策だ。これはデッキを選ぶときのものだが、プレイの方も何時もより少しだけ考えることで回避できる問題もある。特に相手がサリアを使っていそうなデッキであなたが後手のときには気をつけること。通常であれば3T目以降にバトルランドをアンタップで用いるために未開地から基本地形をつなげたいところだが、サリアの可能性を考えると少しでも多くの基本土地を抱えていたい。ダメランなどの選択肢もあるのならば、多少のダメージは受けつつもそちらを優先した方が将来的な展開の安定が約束されるだろう。
⑤大天使アヴァシンを使う
私的にはこれが一番有効な対策に思える。サリアの裏目は存在するがそれ以外では彼女を咎める手段は少なく(混成体のタップ、代言者達成後のドロコマぐらい)、相手は早いゲームの決着を目論んでいるためETBの能力も嵌りやすい。呪文捕えされずに殆どの生物が止まり反射魔道師も次のターンに簡単に出し直せる。霊魂さえ気をつければ変身能力をスイーパーとして運用することは難しくは無く、それによってゲームのイニシアチブも得やすい。よって、この形のバントを対策するにはある程度生物を積んで接触が発生するようにし、アヴァシンを採用したデッキが良いと考える。
そんな感じ。
意見コメントお待ちしております。
さらばじゃ!
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